膀胱癌の動注療法の進歩

 膀胱癌の動注療法を望まれる方が非常に多いです。

 というのは、表在性膀胱癌や上皮内性膀胱癌の場合はBCG薬物などで治療することが可能な場合が多いのですが、浸潤性膀胱癌になると悪性腫瘍も高度となってきます。

 浸潤性膀胱癌となると手術の選択肢は、膀胱全摘出術が動注療法(膀胱温存療法)のいずれかになります。


 しかし、膀胱癌の患者様ならびにご家族の方となると、どうしても膀胱全摘出術は避けたいものです。

 膀胱全摘出術を行った場合は、尿路変更によって膀胱の機能を可能な限り再現するよう努めますが、現実にはQOL(生活の質)の観点から言っても膀胱を摘出するのが望ましいものとはいえません。

 膀胱癌の患者様とご家族としても、やはり動注療法(膀胱温存療法)の選択肢が真っ先に頭に浮かぶはずです。


 実は膀胱癌の動注療法(膀胱温存療法)は進歩してきています。

 代表的な膀胱癌の動注療法では、まずは内視鏡的に電気メスで可能な限り悪性腫瘍を取り除きます。

 次にカテーテルを太ももの動脈(あるいは尿道)から挿入。

 膀胱内に抗がん剤を注入し、放射線療法も併用します。

 動注療法は、だいたいが3週間に3回行われます。


 動注療法が終わった段階が分かれ道です。

 動注療法を施した膀胱の組織を内視鏡的に採取。

 顕微鏡下で検査し、悪性腫瘍の有無を確かめます。

 ここで悪性腫瘍がないのなら陽子線治療に移りますが、悪性腫瘍が発見された場合は膀胱全摘出術に切り替えるのが一般的です。


 気になる動注療法の効果です。

 どれほどの効果が期待できるのでしょうか?


 アメリカの医療機関による興味深いデーターが存在します。

 浸潤性の悪性腫瘍の場合、静脈からの抗がん剤投与のみで30%前後が治療に成功しているというものです。

 さらに、放射線療法を加えると、90%前後の高確率で悪性腫瘍の消失が確認されたとの報告もあります。

 日本の医療機関においてもこのデーターは実証されており、90%強のほとんどの患者様が次の陽子治療へと映っています。


 陽子治療は膀胱癌の再発を確実に防ぐことを主としたもので、放射線療法に比べてよりピンポイントな照射が可能になり、健康な細胞への攻撃を最大限に抑えることに成功しています。


 膀胱癌の動注療法は3~4ヶ月の時間を要すると言われていますが、長い入院生活の向こうにQOL(生活の質)の保証が約束されていますので、選択肢としては十分に検討するべきでしょう。

 

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